～畳スペースのご紹介～

リビングスペースとは段差を付けて、明確にスペースを区切ることができる小上がり和室。LDKに立体感が加わって、メリハリと奥行き感を強調することができます。

本来小上がりとは、和風建築において玄関土間から一段高くなった床を指す場合が多く、履物を脱ぐ際に腰かけることができる箇所を言います。民家だけでなく、小料理屋や居酒屋などでも小上がりはよく見られます。「小上がり」と言えば畳を使用したスペースを指すことが多いですが、板張りやフローリングを採用したスキップフロアも小上がりと呼ばれることがあります。

小上がりの最大のメリットは、下部に収納を追加できること。ブランケットを仕舞っておけばお昼寝や肌寒いときにさっと取り出すことができますし、お子様のオモチャなどの収納スペースにすると片付けるのも楽になります。

また、椅子の代わりに段差に腰かける使い方も。キッチン前に配置したり、カウンターテーブルなどをつければ、作業スペースやミニダイニングとして使うこともできて便利！

あまり高すぎる小上がりはバリアフリー性が損なわれ、将来的に使いづらくなってしまうこともあります。逆に段差が低すぎても小上がりのメリットを活かせず、注意力が減って躓きの原因になる場合も。小上がりの高さは、一般的な階段くらいの高さである20cmを基準に、目的によって高さを決めるのがおすすめです。

最近導入するご家庭の多くなってきたロボット掃除機などに対応できないのも、段差を作るときの難点。ただし、そもそも機種によっては畳に非対応で、使用するとかえって畳を傷めてしまうこともあるので、段差のない和室の場合でも、ロボット掃除機の使用はメーカーによく確認する必要があります。

小上がりのような段差を設けず、リビングと同じ高さで部分的に畳を使用する畳コーナーの場合、より一体感のあるLDKを作ることができます。圧迫感も少ないので、やや広めの畳コーナーを設けたい場合は、フラットな畳コーナーのほうがおすすめです。

段差によって生まれるデメリットがなく、フラットに使えるので利便性や汎用性も高くなります。収納スペースは減ってしまいますが、クローゼットや押入を設けるスペースがあるのであれば、必ずしも小上がりにする必要はないかもしれません。

引き戸やロールスクリーンなどで区切ることで、ちょっとした和室として独立して使いやすいのもフラットな畳コーナーの特徴です。掃除の際もわざわざ掃除機本体を持ち上げたりする必要がなく、また前述のように畳に対応しているロボット掃除機であれば、なにもせずとも掃除してくれるので便利です。

デメリットとしては、リビングと高さが同じになることで、リビング側のホコリなどが侵入しやすいこと。畳はフローリングに比べてちょっとした凹凸にホコリが溜まりやすいですし、引き戸の敷居などにも汚れがちになります。

今回ご紹介した施工写真を見てもわかる通り、近年こういった畳コーナーには正方形のヘリ無しの畳、いわゆる「琉球風」の畳が多く使われます。モダンな正方形の畳は、旧来の和室の持つなんとなく古臭い印象を払拭することができ、洋風のリビングとの相性も非常に良いのが特徴です。カラーバリエーションも幅広く、定番の緑以外にも黒系・白系から青、ピンクなども存在し、インテリアに合わせて選ぶことができます。

リビングの畳スペースは、一般的には3畳程度がベストとされています。それ以上狭いと使いにくく、また必要以上に広くてもリビングが狭くなってしまうことがあるので、大人1人が足を伸ばして寝転がれるくらいの長さを確保できる3畳が最適とよく言われます。もちろん、目的に応じて4.5畳程度のスペースを割くことで、独立した和室としても使いやすくなるメリットもあり、どの程度畳コーナーを重視して使うかによって広さを変えるのがおすすめです。