水廻りの配置が生活を決める|直線動線と回遊動線
2023/11/28
「生活しやすさ」を決めるのは、水廻り。
トイレ・洗面・お風呂・キッチン…どれも毎日使うものだから、家の動線づくりは基本的に水廻りを結ぶような形で作られます。
動線が良ければ、家事効率も上がり、日々のちょっとしたストレスも軽減されます。逆に言えば、この動線がスムーズでなかったり、遠回りが必要な間取りでは、たとえひとつひとつのロスは小さくても何十年単位で見れば大きな無駄になってしまいます。
洗濯機から物干し場への動線、物干し場から収納場所への動線、帰宅後の手洗いのための玄関から洗面への動線、リビングからキッチンの冷蔵庫への動線…そう考えだすと、なかなかキリがありません。実際に住んでみないとわからない部分もあり、生活スタイルによってベストな動線は異なることもあります。
一般的に良いとされるのは、水廻りを一か所に集約した「直線動線」と、行き止まりを作らずぐるっと回れる「回遊動線」のふたつ。
洗濯機を置く脱衣所と浴室、トイレと手洗い洗面など、水廻り設備は相互に行き来することが多い場所です。水廻りを近くに集約することで往復が楽になり、工事費やメンテナンス費用も抑えることができるなどメリットが多いので、特別な理由がない限り水廻り設備は一か所に固めるのがオススメです。
また、複数出入り口を設けたり、アイランドキッチンを活用した動線づくりで、行きたい場所に最短距離でいけるルートを選択できるような間取りを作るのも、日常の家事動線の改善に役立ちます。
収納の配置場所も重要な要素になります。脱衣所の室内物干しスペースと浴室の間に収納できる棚があれば、乾いたバスタオルを収納するのも、浴室からあがったときにバスタオルを使用するときも、無駄な行き来がなくなり便利に。
他にも実際の生活を見据えた水廻りづくりの手段はいろいろ。
マンションなどでは脱衣所と洗面が一緒になっていることが多いですが、注文住宅では洗面を分離した間取りも人気です。脱衣所の外に洗面があれば、家族の誰かがお風呂にはいっているときでも、歯磨きなどで洗面が使いやすくなります。
また、衛生意識の高まりから、帰宅してすぐに手洗い・うがいができる玄関洗面のような、洗面スペースを複数設ける家も増えています。洗面が複数あれば、家族が集中しがちな朝の時間でも、順番待ちを最小限にすることができます。