∴ICコラム〖換気のしくみ〗
2025/03/21
こんにちは!企画の城谷です。
こちらの記事では、【換気のしくみ】について私が学んだことを発信いたします。
お家づくりのお役に立つことができれば嬉しいです♪
空気汚染の目安
人がいる室内では、呼吸や暖房などで排出される二酸化炭素(CO₂)で空気が汚れ、ほかの有害物質も増えます。このことから、室内における空気の汚染度は、二酸化炭素の濃度が指標となっております。二酸化炭素の濃度が4~5%程度までであれば、人体にほぼ害がないとされております。
一方でガスなどの不完全燃焼によって発生する一酸化炭素(CO)は二酸化炭素の1/100以下の濃度(0.004%程度)で人体に害を及ぼすため危険となります。
燃焼時は特に適切な換気が必要となっております。
またホルムアルデヒドという室内汚染がシックハウス症候群を引き起こすとされており、換気扇の設置が義務付けられております。
【揮発性有機化合物とは】
空気中で容易に揮発(蒸発)する物質で人工合成されたものを指します。
塗料に含まれるトルエンやキシレンなど接着剤に含まれるホルムアルデヒドは高揮発性有機化合物(VVOC)に分類されます。
換気の種類
室内の汚れた空気を外に出して、外気を取り入れることで汚染した空気を清浄化することを換気といいます。それに要する換気量を必要換気量といいます。
住宅の換気量は1時間当たりの換気量を部屋の容積で割った換気回数という数値で表されます。住宅では窓を開けて行う自然換気が容易ではございます。住宅の高気密化が進んだことで室内の汚染物質が増加傾向にあるため、リビングなどの居室でも換気扇による機械換気が必要となっております。
⑴ 自然換気
自然換気の換気量は窓の大きさに比例します。また、風力や温度差によっても変わります。
風力換気は、風による室内外の圧力差を利用するもので風速に比例して換気量は増えます。
温度差(重力)換気は、温かい空気は上昇し、冷たい空気は下降するという性質を利用するもので、室内外の温度差と、給気口と排気口の高さの差に影響を受けます。
暖房時には、温かい空気は上昇するため下部の開口から冷たい空気が入り込み、上部は温かい空気が排出されます。冷房時には、冷たい空気は下降して上部の開口から温かい空気が入り込みます。冷たい空気は下部から排出されます。
⑵ 機械換気
もともと台所や浴室、トイレなど湿気や臭いの溜まりやすい場所では、機械換気が必要とされてきましたが、気密性の高い住宅の普及で居室の常時換気(24時間換気システム)も建築基準法で義務付けられてきました。シックハウス症候群対策として、住宅には換気回数0.5回/h以上の換気が可能な換気扇を設置するようになっております。
機械換気の種類
機械換気には、第1種、第2種、第3種がございます。
∴第一種換気方式
給気・排気とも機械で換気する方式で、自然ではなく強制的に給気・排気を行います。
メリットは室内の気圧を調整することができるためバランス良く換気することが可能となっております。また第一種換気は通常、熱交換機も設置します。この設置により内外部の気温差が大きい時に換気で失う熱量を少なくして空調負荷を軽減します。
デメリットは給気・排気どちらも機械で行うためコストが高いことです。
ダクトや熱交換器といった設備の初期費用や更新費用がかかりますし、換気扇を多数稼動させるので消費電力が増加してランニングコストもかかります。
∴第二種換気方式
給気を機械で、排気を自然にする換気方式になります。
給気を機械で強制的に行い室内の圧力をプラス圧(正圧)に保つことで自然に排気する仕組みになります。ゴミや埃などが入ってこないよう圧力を保つ必要があるクリーンルームなどの施設に採用されております。
【メリット】
常に新鮮な空気を取り入れることができることです。
外部からの埃やゴミなどが入ってこないように清潔に保つことができます。
【デメリット】
気密性が低い場合、室内の湿度や汚れた空気が屋根裏や壁の中に入り込み、湿気を含んだ空気が急激に冷やされて壁内結露を起こす可能性が非常に高くなります。
また給気ファン近くに窓がある場合は取り込んだばかりの新鮮な空気が窓からすぐに排気されてしまう「ショートサーキット」が発生する可能性があるので注意が必要でございます。
∴第三種換気方式
給気を自然に行い、排気ファンにより排気をする換気方式でございます。
排気ファンで強制的に排気することで自然に新鮮な空気を取り入れることができます。
【メリット】
低コストかつメンテナンスが楽なことです。
一般的な住宅で最も採用されている換気方式になります。設置場所はトイレや浴室、洗面所等の局所排気と併用されております。
また小屋裏や壁内に湿った空気が入りにくく内部結露が生じにくいところも長所です。
【デメリット】
気密性が低い場合に給気口や隙間から外気が入り込んで空調負荷がかかることです。
特に夏場は熱気、冬場は寒気が入ってくると室内で温度差が生じることがございます。
こちらが原因でエアコンや暖房器具を余計に稼働させる必要が出てしまいます。
換気窓の大きさ
建築基準法において、居室には換気のために開放できる窓の設置が義務付けられております。開放できる窓の大きさは床面積の1/20以上が必要とされております。
※1人あたりに必要な換気量は約30㎥/h。喫煙者がいる場合にはその2~3倍になります。
※換気というと排気だけで良いように思いがちですが、排気された分が給気されなければ適切な換気はできません。
通風
自然換気を利用して室内に風を通す通風は、住宅にとって重要でございます。
高温多湿な日本では、住みやすさと省エネの観点からもますます注目されております。
通風は外気の風速と窓の設置や高さによって大きく変わります。
【通風の重要性】
日本特有の湿気を含んだ温かい空気は滞留すると人にとっても不快ですが、木にとっても腐る原因となったり、カビの原因となります。湿った暖かい空気は滞留させないことが住宅にとって大切なことでございます。
以上、今回は換気について記事にさせていただきました。
最後までご覧いただき有難うございます♪
快適なお住まいになりますように、ご参考にしていただけますと幸いです。
お打ち合わせの際にはお施主様のご要望をお伝えいただけますと幸いです。
弊社スタッフ一同、お客様のご要望に合わせて最適な空間づくりを提案いたします。