株式会社椿工務店

外壁材の特徴

外壁材といえばサイディング!?今どきの外壁選び・特徴

2023/10/17

「サイディング」ってご存じですか?

 

家の外壁といえば、ひと昔前は「塗り壁」と呼ばれる、モルタルなどを左官職人が人の手で塗りつけていくものが一般的でした。

塗り壁は、手作業ならではの人間味のある表情が魅力である一方で、手間暇かけて作り上げられているため、工期が長く、価格も高くなりがちです。また、使用する素材によっては水分量によって伸縮が起こり、ひび割れが発生するという問題もありました。

 

現地で職人が形作っていく塗り壁に対して、サイディングはあらかじめ生産されたパネル状の壁材を張り付けていくものを指します。サイディングの登場によって、外壁工事の工期は大幅に短縮され、大量生産によってコストも抑えられるようになりました。

サイディングは、1970年代には日本でも使われ始めていましたが、技術の進歩やデザインのバリエーション増加で、2000年代から大きく広がりを見せるようになりました。また、塗り壁に比べて軽量になりやすいことから、家の耐震性向上にも効果が高いという利点も注目され、特に90年代の震災後は認知が大きく高まりました。

 

早い・安い・軽い、他にも耐久性が高い、汚れに強いなどのメリットもあり、いまや住宅においては9割以上がサイディングを採用しています。しかし、一口にサイディングといっても、実は製法や素材によって見た目や利点が少しずつ変わってくるのをご存じでしょうか?

サイディングの種類・特徴

サイディングの種類は、大きくわけて4つあります。

 

窯業系サイディング

セメントや繊維質などを混ぜ合わせて焼き固めたサイディング。

金属系サイディング

「ガルバリウム鋼板」をはじめとする金属製のサイディング。

木質系サイディング

木材を主に使用して成形されるサイディング。

樹脂系サイディング

塩化ビニルなどの樹脂で成形されたサイディング。

 

この中でも、日本の住宅では特に「窯業系サイディング」「金属系サイディング」が多く使われています。

今回はこの2つのサイディングの特徴をメインにご紹介します。

窯業系サイディング

サイディングの素材の中でも、もっともメジャーなのが窯業系です。主にセメントと繊維質を混ぜ合わせたものを、陶芸のように焼き上げて作られます。

コストも比較的安く、デザインやカラーバリエーションが豊富なことから、サイディングと言えば窯業系、というイメージを持たれる方も多いと思います。

耐火性や耐震性が優れるというサイディングのメリットを備えるのはもちろん、近年では汚れがつきにくい加工がされたものや、耐熱性が高いものなど、窯業系サイディングの弱点をカバーするような製品も増えており、いざというときだけでなく、日ごろの生活を快適にしてくれる性能を兼ね備えています。

 

白や黒だけでなく、ありとあらゆるカラーバリエーションをカバーできるのが窯業系の最大のメリット。もちろん色だけでなく、レンガ調・タイル風の素材感を押し出したデザインなども多数存在するので、画一的になりがちな家の外壁を、自由に彩ることができます。

金属系サイディング

金属系サイディングは、文字通りアルミや鉄板などの金属素材を使用したサイディングのことです。特に近年は、ガルバリウム鋼板を使用したものが、金属系サイディングの代名詞と言えるほど広く人気です。

芯材として断熱材を使用しているため、窯業系サイディングと比較してもさらに断熱性が高く、家の中の環境を暮らしやすいものにしてくれます。また、その軽さも特筆すべきもので、同じ厚みであれば窯業系よりはるかに軽量で、家の耐震性の向上にも大きく貢献してくれます。

 

良いことづくめに見える金属系サイディングですが、金属の宿命として、錆による劣化が見られる場合があります。一般的には窯業系より丈夫と言われる金属サイディングですが、雨が多い地域や、海が近い地域だと塩害の被害を受けることもあり、使用する場合は家の立地も考慮する必要があります。また、強風などによって傷がつくと、その部分からメッキが剥がれ錆を促進することも。

クールでインダストリアルな見た目も人気の理由ですが、人によってはその無機質感・画一的なデザインから、採用を見送るというパターンも多いようで、好みが大きく分かれる部分です。

一口にサイディングといっても、使用素材によって細かなメリットの差や、キャラクターの違いがあり、どれを選ぶかは施主様の個性によって異なります。

様々なバリエーションのある窯業系か、スタイリッシュな金属系か。はたまた、それらを組み合わせて使用したり、部分的に木質系サイディングを使用したり、といったコーディネートで違いを出すこともできます。

サイディングのことで困ったら、ぜひ設計士・コーディネーターに相談してみてくださいblush

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